重力に戯れる愉しみ

主にバックカントリースキーの備忘録を書いています

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南アルプス縦走 2010年8月10日~16日(7日目)

南アルプス縦走もいよいよ最終日の 7 日目を迎えました。今日は熊ノ平小屋から間ノ岳、南アルプス最高峰の北岳というクライマックスを経て、広河原へ下山です。

素晴らしい晴天の下この縦走を締めくくることができたわけで、終わり良ければ全て良し。そう思えば、雨ばかりで辛かったけれど、まあ良いかという気にもなれました。

  • 日付: 2010 年 8 月 16 日(月)
  • 天気: 晴れ
  • ルート: 熊ノ平小屋~三峰岳~間ノ岳~北岳~広河原

本音を言えば、最終日くらいは短いコースでのんびり下山できるような余裕ある行程にしたいところですが、なにぶん 7 日間という限られた休暇期間なのでしかたありません。今日は熊ノ平から広河原まで、間ノ岳と北岳という 2 つの大きな山を越えて下山するので、早めに出発することにします。

1 時すぎには起床してラーメンで朝食とします。もうこれがこの縦走で最後の食事になるわけです。食材は余裕を見て準備してきたので、あと 3 日分ほど残っていますが、もはやザックの中の重しにかならないので、できれば捨ててしまいたいほどです。

2:47 熊ノ平小屋

暗闇の中ヘッドランプを点けて出発。夜空は満天の星で、今日は晴天が期待できそうです。

井川越は左側が切れ落ちています。真っ暗な中なので用心深く通過します。すぐに急登となりますが、起き抜けの身体にはこれがなかなかつらい。

やがて森林限界を超えると急登も終わり広い尾根に上がると、西風が強く吹き付けてきます。この縦走の間は連日西から風が吹き続けていて、そのせいでずっとガスが湧きやすくなっていました。今日も風が止むことはなさそうなので、ガスがすぐに湧き上がってきそうな予感。

農鳥小屋への分岐である三国平は 3:37 に通過しました。

その後もずっと広い尾根を緩やかに登って行くわけですが、一面がガレ場になっているので真っ暗な状態では踏み跡を拾いにくい所がいくつかありました。かなり寒くなってきたでヤッケを着込みます。

やがて尾根は細くなり、ゴツゴツの岩にへばりつくよう登る岩稜帯になってきます。東の空が紅く染まり、富士山のシルエットが浮かび始めました。

5:07 – 5:22 三峰岳

ちょうど日の出の頃に三峰岳に到着。独りっきりの山頂で 360 度の景色を独り占めしました。

悪沢岳と塩見岳

雲がかかった悪沢岳と塩見岳

三峰岳の山頂

三峰岳の山頂

予想どおり、山頂にいる間にどんどんガス沸き上がってきました。まだ夜明け直後だというのに早すぎる・・・。

山頂を後にして少し下ると分岐です。

仙丈ヶ岳への分岐

仙丈ヶ岳への分岐

ここから仙丈ヶ岳まで、仙塩尾根の北半分も、いずれは歩いてみたい縦走路です。

朝日を浴びた農鳥岳

朝日を浴びた農鳥岳

間ノ岳へ登りながら朝の景色を楽しみます。

塩見岳へ長く延びる仙塩尾根

塩見岳へ長く延びる仙塩尾根

仙丈ヶ岳

仙丈ヶ岳

三峰岳から間ノ岳までは 300m 弱の登りをもうひと頑張りです。

間ノ岳手前の三角形の岩稜

間ノ岳手前の三角形の岩稜

三角形の岩稜を右から巻いて行くと、山頂から一段下がったプラトーに登り着きました。

これを登れば間ノ岳の山頂

これを登れば間ノ岳の山頂

間ノ岳の山頂まであとわずかです。

6:36 – 7:00 間ノ岳

間ノ岳に登頂!

間ノ岳に登頂!

大賑わいの間ノ岳山頂

大賑わいの間ノ岳山頂

やった!とうとう間ノ岳の山頂に到着です。苦労して登ったり下ったりの 7 日間でしたが、この雄大な山のピークを登りつめ、今回の縦走の一つの到達点にとうとうやってきたという感じです。

山頂ではしばらく満足感に浸りながら眺望を楽しみました。

荒川三山や塩見岳、そして南アルプス南部の眺め

荒川三山や塩見岳、そして南アルプス南部の眺め

遙か遠くには兎岳、中盛丸山、大沢岳まで見えます。「あ~、あんなに遠くから歩いてきたんだなあ」と感慨に浸ってしまいます。

目指す最終ゴール、北岳

目指す最終ゴール、北岳

そして、この先には今回の縦走の真のゴールである北岳が待ち構えています。まだまだ景色を楽しんでのんびりしていたいくらいですが、先はまだ長いので出発します。

これまで歩いてきた南アルプス南部や仙塩尾根の静けさとはうって変わって、間ノ岳からの縦走路では行き交う人の数が段違いに多くなり、いかに白峰三山の人気の高いかよく判ります。

北岳を目指す

北岳を目指す

この間ノ岳から北岳山荘への間の稜線は、いつ来ても素晴らしい眺望です。そういえば、今まで白峰三山を訪れたときは運良くいつも良い天気で、期待を裏切られたことがありません。よほど相性が良いのでしょうか。

間ノ岳と三峰岳

間ノ岳と三峰岳

中白根山は 8:08 に通過。さきほど歩いた三峰岳から間ノ岳の間の稜線を振り返って見ます。

どーんと迫る北岳のバックには甲斐駒と鳳凰三山

どーんと迫る北岳のバックには甲斐駒と鳳凰三山

それにしても、北岳の写真ばっかり撮ってしまいました。やっぱり絵になる名峰なのです。

8:39 – 9:00 北岳山荘

北岳山荘

北岳山荘

さて、北岳山荘でしばし休憩することにしました。

中白根山を振り返る

中白根山を振り返る

さて、これからいよいよクライマックスの北岳へ向けて 300 m の登りです。

北岳を目指して登り始める

北岳を目指して登り始める

もう今回の縦走できつい登りはこれで最後です。頑張っていきましょう。

次第にガスが湧いてきてきました。もう北岳の山頂からは景色が楽しめそうもないかな・・・。

八本歯のコルとの分岐

八本歯のコルとの分岐

八本歯のコルへの分岐は 10:04 に通過。山頂まではもう少しです。

10:29 – 11:05 北岳

最終目的地、北岳登頂!

最終目的地、北岳登頂!

やりました!最終目的地、北岳に登頂です。

残念ながらすっかりガスに覆われていますが、今日はこれまで十分景色を楽しめたし、今回の縦走をこの北岳で締めくくることが出来ただけで大満足です。

ガスの切れ間から覗く間ノ岳

ガスの切れ間から覗く間ノ岳

一瞬ガスが消えて間ノ岳が見えました。北岳の山頂からこのアングルで眺める間ノ岳、私の大好きな絵です。

さて、広河原までまだまだ長いのでそろそろ下山を開始しましょう。

小太郎尾根の向こうには早川尾根

小太郎尾根の向こうには早川尾根

8 月 1 日に歩いた早川尾根の様子が、北岳側から手に取るように判ります。あのときはガスって全然視界がなかったけれど、こうやって見るとアサヨ峰の標高って意外に高いんですね。

11:39 – 11:45 肩の小屋

肩ノ小屋

肩ノ小屋

下山は草スベリルートです。肩の小屋で小休止した後は、御池小屋まで一気に下りました。

白根御池小屋の直前で見た鳳凰三山

白根御池小屋の直前で見た鳳凰三山

13:02 – 13:15 白根御池小屋

白根御池小屋

白根御池小屋

広河原までもうひと頑張りするため、美味しい水を汲んでたっぷり水を補給します。お話好きの男性につかまってついつい長話になってしまいました。しかしなるべく早く便のバスに間に合いたいので、あまりのんびりしていられません。ほどほどのところで話しを切り上げて出発しなければ。

日差しが強く暑い日ですが、これから先は樹林帯なので助かります。一気にガンガン飛ばして下りますが、なにしろ山頂から広河原まで標高差約 1700m あるので足はガクガクです。

広河原山荘に張ったテントが見えてくると、もうゴールまでわずか。

下界へと戻る架け橋

下界へと戻る架け橋

ちょうど今回の山旅の始めに畑薙大吊橋を渡ったように、締めくくりは下界へと戻る架け橋を渡るというわけです。そして広河原に到着すれば今回の長い縦走は終了です。

14:57 広河原

バス停に到着すると、15:00 の便が発車するわずか 3 分前。滑り込みセーフでした。

バスの車掌さん曰く、今日の甲府は 37 ℃まで気温が上がったとのこと。寒かったあの夜明け前の稜線とはあまりの落差です。下界に下ったら身体の具合がおかしくなってしまいそう。

バスの休憩ポイントである夜叉神峠では、ソフトクリームとビールを購入。く~!下界の味は美味い!

バスは甲府駅に 16:50 に到着。駅の北口から 10 分ほど離れた喜久乃湯で 7 日間の汗を流してさっぱり。湯船に浸かりながら長かった山旅を振り返ってみます。

6 年前に天気が悪かった聖岳の再挑戦や未踏の縦走路(荒川前岳~三伏峠、塩見岳~間ノ岳)という課題をクリアするのも、今回の縦走の目的であったわけですが、天候不順で景色が十分に楽しめなかったせいで、逆に「また天気の良い時にリベンジしなければ」という課題が増えてしまいました。

ま、考え方次第では、まだ先に楽しみが取っておけるということです。

甲府からは 18:43 発の「特急ふじかわ」に乗車して帰路に。日没が近づくとすっかり雲は消え、甲府盆地の西を見上げれば真紅の夕空に南アルプスの高峰の大きな黒い影が浮かんでいました。山旅の締めくくりにふさわしい車窓でした。


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