重力に戯れる愉しみ

最近はフリークライミングばっかり。

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光岳~聖岳縦走 2010年9月18~20日(2日目)

光岳から聖岳への縦走の 2 日目。今日は光小屋から聖平小屋への縦走路を歩きます。

  • 日付: 2010 年 9 月 19日(日)
  • 天気: 晴れ
  • ルート: 光小屋~易老岳~喜望峰(仁田岳へ往復)~茶臼岳~上河内岳~聖平小屋(テント泊)

3 時半ころに目覚めてテントの外を見ると星空が綺麗で、今日は晴天が期待できそう。

御来光を拝むのは光岳からにしようか、イザルヶ岳からにしようか迷いましたが、小屋から眺めると下界にかかる雲海が綺麗だったので、東の空がすっと見通せるイザルヶ岳にしました。

5:15 光小屋

まだ薄暗いセンジヶ原を横切ってイザルヶ岳との分岐へ。分岐に荷物をデポしてイザルヶ岳へひと登り。

イザルヶ岳

イザルヶ岳にはもう御来光を待つ人で大賑わいでした。

いよいよ 5:40 頃に日の出。

富士山の山肌からの日の出

富士山の山肌からの日の出

富士山の山肌から太陽がチラッと現れ、ほどなく東の空の雲海を明るく照らし始めました。

朝日と雲海

朝日と雲海

やっぱり山上の朝の光の妙は格別です。

イザルヶ岳の山頂

広く平らなイザルヶ岳の山頂

これから歩く聖岳への稜線

これから歩く聖岳への稜線

今日はこれからこの先に続く稜線を歩くわけです。聖は遠いなあ・・・。

朝日に朱く染まった光岳

朝日に朱く染まった光岳

振り返れば光岳が、そして右手には加加森山へと続く稜線も見えます。

さて、今日はまだまだ先が長いので、そろそろ分岐に戻るとします。

朝のセンジヶ原

朝のセンジヶ原

ザックを再び背負って、まずは昨日来た道を易老岳まで戻ります。

樹間から望むイザルヶ岳と光岳

樹間から望むイザルヶ岳と光岳

昨日はガスってなにも見えませんでしたが、易老岳へと登る途中で振り返ると、光岳が見えました。

7:54 – 8:03 易老岳

分岐では大勢の人が。私も休憩していると、昨日テント場で一緒だった栃木の 3 人組とまた一緒になりました。

ここからは縦走路へと踏み込みます。いったん少し下った後はアップダウンの少ない稜線歩きに。

途中の見晴らしが良いところでは聖岳が見えた

途中の見晴らしが良いところでは聖岳が見えた

喜望峰への登り

喜望峰への登り

9:21 – 9:29 喜望峰

ひと登りすると喜望峰に到着。せっかくなので荷物をここにデポして、仁田岳へ寄り道することにします。

仁田岳

ハイマツ帯を歩いて仁田岳へ

喜望峰を出るとすぐに樹林帯から脱出してハイマツ帯へ。仁田岳まではちょっとした稜線散歩です。

9:45 – 10:10 仁田岳

日の出直後から高曇りになっていましたが、その雲も次第に消えていき、峰々が日に照らされて綺麗に見え始めました。

仁田岳から望む深南部の山々、光岳、加加森山、池口岳

仁田岳から望む深南部の山々、光岳、加加森山、池口岳

仁田岳から兎岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳を望む

仁田岳から兎岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳を望む

360 度の開放感いっぱいの景色を楽しみました。

のんびりしているうちに栃木の 3 人組が追いついてきて、私よりも先に出発していきました。

10:23 – 10:30 喜望峰

喜望峰

樹林に囲まれた喜望峰

荷物を回収してさらに縦走路を進みます。

木道を歩く

二重山稜の間の木道を歩く

喜望峰から茶臼岳までは二重山稜になっていて、2 本の稜線間の草原にはところどころ木道が置かれています。窪地になっているだけに、水が溜まりやすいのでしょうね。池が点在しています。

仁田岳と喜望峰を振り返る

仁田岳と喜望峰を振り返る

アップダウンも少なく、二重山稜の景色を楽しみながら快適に歩けました。

茶臼岳

茶臼岳

こういう草付きの中の登山道って、まるで山上の庭園を歩くような雰囲気で、なかなか良いものです。

仁田池は澱んで茶色く見えました。

仁田池

仁田池

仁田池を過ぎてひと登りで茶臼岳へ。

11:25 – 11:54 茶臼岳

空はすっかり晴れ上がりました。山頂で休んでいると岐阜のご夫婦が追いついてきました。この後、お二人とは上河内岳までほぼ一緒に進むことになります。

茶臼岳の山頂から聖岳、上河内岳を望む

茶臼岳の山頂から聖岳、上河内岳を望む

珍しい石造りの東海パルプ製標柱

珍しい石造りの東海パルプ製?標柱

茶臼岳の山頂

茶臼岳の山頂

12:08 茶臼小屋への分岐

山頂から少し下った鞍部が茶臼小屋への分岐です。

ここから先は約 1 ヶ月ぶりに歩くことになるわけですが、あの盆休みの縦走はなぜかずいぶん前のことのような感じさえしてしまいます。

今日は最高の天気。これまで 2 度、上河内岳はガスガスで視界ゼロでしたが、今回は三度目の正直、やっとどんな景色なのかを見ながら歩けるというわけです。

分岐から上河内岳を望む

分岐から上河内岳を望む

分岐からすぐの「ハイジの丘」に立ち寄ってみました。

ハイジの丘から茶臼岳を振り返る

ハイジの丘から茶臼岳を振り返る

先月は全然判りませんでしたが、ここは景色の良い展望台になっているんですね。茶臼小屋の宿泊者が御来光を見にくる場所といったところでしょうか。

いったん下って樹林帯を通り過ぎると・・・開放感のある亀甲状土の草原に飛び出しました。

草原の向こうには上河内岳

草原の向こうには上河内岳

ようやくここの景色を眺めることができました。う~む・・・素晴らしい。茶臼小屋から空荷でやって来たらしき方も、「ここから眺める上河内岳が、やっぱり一番良いねえ」と言っています。私も全く同感。広い草原の向こうに上河内岳がでーんと構えていて良い構図です。上河内岳も均整がとれた先鋭峰で、実に格好良い姿。

さらに、その方が言うに、「ここも昔と較べたら亀甲状土っぽさが薄れてきたなあ」とのこと。

草原を抜けると、上河内岳への今日最後の長い登りです。

奇岩竹内門

奇岩竹内門

奇岩竹内門の姿、そしてどんな場所にあるのかも、やっとまともに見ることができました。上河内岳の山頂への門という感じですね。

13:41 – 13:52 上河内岳の肩

肩に到着して休憩していると、岐阜からのご夫婦、東京からの単独の方が追いついてきました。

肩から上河内岳の山頂へ

肩から上河内岳の山頂へ

ザックをデポして山頂へとひと登りします。

13:59 – 14:30 上河内岳

肩で合流した 3 人の方々と一緒に登頂を喜び合いました。

上河内岳の山頂にて

上河内岳の山頂にて

お~最高の景色です。ここにも「切り株輪切りタイプ」の山頂標がありますね。それにしても、こんな時間になってもガスっぽくならないのは、残暑厳しい今年の 9 月とはいえ、確実に秋へと季節は進み、澄んだ空気に変わってきているという証拠なのでしょうね。

白峰南嶺を遠望

白峰南嶺を遠望

山頂の北東側の一段下がった場所からは白峰南嶺が見えました。写真の中央からちょっと左にあるのが笊ヶ岳のようです。

兎岳、聖岳、赤石岳、悪沢岳を一望

兎岳、聖岳、赤石岳、悪沢岳を一望

素晴らしい景色についつい長居してしまいました。

光岳へと続く稜線

光岳へと続く稜線

振り返ると光岳まで一望できます。真ん中の黄色っぽい色の場所が亀甲状土の草原。そのあたりから上河内岳までは二重山稜になっていることが判ります。

写真を撮るのに夢中になっているうちに、3 人の方々は先に肩へと下って行きました。

14:42 – 15:05 上河内岳の肩

ザックを背負ってあとは聖平までほぼ下り一辺倒です。

南岳の手前で崩壊地の縁を通過

南岳の手前で崩壊地の縁を通過

崩壊地の縁を通過して、わずかに登り返してすぐに南岳に到着。肩から 25 分ほどでした。

南岳

南岳

南岳から上河内岳を振り返る

南岳から上河内岳を振り返る

こちら側も二重山稜になっていますね。どんな形成要因でこうなったのか、興味深いものです。

16:20 – 16:25 聖平

一気に聖平まで下ってきました。

聖平から聖岳を見上げる

聖平から聖岳を見上げる

おー、ここから聖岳が見えるんですね、これは知りませんでした。なにせ今まで聖平では悪天候ばっかりだったので。

16:27 聖平小屋

聖平小屋のテント場

聖平小屋のテント場

聖平のテント場は広々していて実に快適。

栃木からのパーティー、東京からの単独の方、岐阜からのご夫婦もすでに到着していました。私も山談義に合流して、ビールを飲みつつ夕食までの時間を楽しみました。

今日は珍しく真面目に白飯を炊いてカレーライスです。ちょっと失敗してベチャ飯になってしまいましたが・・・。

日暮れ頃になると霧が下りてきて一面真っ白に。

高山の稜線にもかかわらず 9 月に入っても暑いばっかりでしたが、ようやく秋本番に入ってきたかなあと感じられる一日でした。午後遅くまで爽やかな晴天に恵まれ、ずっと景色が楽しめたせいで、ずいぶんのんびり行動してしまいました。ここ最近では一番充実した縦走が楽しめた一日だった気がします。

3 日目の記録に続く。


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