重力に戯れる愉しみ

最近はフリークライミングばっかり。

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猫岳 2010年12月17日

12 月半ば過ぎても、なかなか積雪が増えてくれない今日この頃。標高の高い所ならそれなりに楽しめるだろうと、猫岳に滑りに行ってみました。

GPS Log

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(赤: シール歩行、青: スキー滑走)

記録

日付2010年12月17日(金)
天気晴れ
ルート
  • 乗鞍スカイラインのゲート 7:11
  • 猫岳 13:15 - 13:25
  • 乗鞍スカイラインのゲート 14:32

雑記

立山以降本格的にBCモード突入かと意気込んでいたのに、12月に入ってもなかなか雪がドカッと降ってくれず様子見でしたが、そろそろシビレを切らして猫岳にでも行くかと思い立ちました。

平湯に到着して、いつものように料金所のトイレ前で仮眠。早出しようと思っていたものの、惰眠を貪って起床は 6 時過ぎ。寒気が入ったせいで-7℃と寒い朝でした。

ダメもとで久手牧場まで偵察してみるも、お話にならないくらい雪が付いていません。というわけで、平湯峠経由で乗鞍スカイライン沿いに登ることに。

積雪が少ないので、車をゲートの手前まで入れることができました。平日だというのに車が 1 台すでに停まっていて、どうやら先行の人がいるようです。その証拠に真新しいスキーのトレースもあります。

7 時過ぎにゲートを出発。

乗鞍スカイラインのゲート

乗鞍スカイラインのゲート

雪はアスファルトにうっすらと被っている程度で、まあシール歩行も楽なものです。平湯峠の手前あたりからソコソコ雪も深くなってきました。先行トレースを追って、右側の斜面へ登り上げてショートカットしましたが、斜面はまだヤブっぽくてちょっと苦労しました。

猫岳を目指すのは今回が 2 度目。2 年ほど前の前回は久手牧場から入れたのですが、大崩山で時間切れ敗退でした。

もともとは、そのままスカイライン上をたどり、夫婦松から第三尾根を行くつもりでしたが、先行トレースは夫婦松をショートカットするように左手の尾根に登り上げていたので、私もそのトレースを有り難く頂戴することにしました。ラッセルはほとんどなく楽なものです。

尾根上は密林

尾根上は密林

尾根を登りつめるとかなりの密林で、板を外して倒木をくぐり抜けるような所もあったり…。所々にテープでマーキングしてあるので、どうやらこの尾根はは冬のアプローチに使われているルートのようです。

再びスカイライン上に

再びスカイライン上に

ほどなくしてスカイライン上の展望台がある場所に飛び出ました。

展望だから、笠ヶ岳、槍穂高の眺め

展望だから、笠ヶ岳、槍穂高の眺め

展望台で一休み。素晴らしい景色です。

展望台を出発すると、先行トレースは次のヘアピンカーブの手前でショートカットしていましたが、あんまりルート取りを人任せにしてもなんなので、私はヘアピンカーブから第三尾根上を行くことにしましたが、これが大失敗。笹薮の密生に阻まれ右往左往。

やがて雪がさらに深くなって歩きやすくなってきた頃に、先行トレースと合流。先行の人はルート取りを熟知しているようです。

標高 2250m を超えると樹間が広くなり、開放感のある景色に。

樹間が広い第三尾根上部

樹間が広い第三尾根上部

このあたりで上から滑り降りてきた先行の方とすれ違い、しばし歓談。巧みなルート取りから予想していたとおり、なんだか全身から凄いオーラが出ていて、いかにも強者という雰囲気の方でした。リズミカルなショートターンで、滑りも格好良く決まっていましたね。

いよいよ猫岳が目前に

いよいよ猫岳が目前に

スカイラインに乗り上がると、いよいよ猫岳の姿が大きく見えてきました。快晴の素晴らしい景色です。 どうやらエネループが充電不足だったようで、スカイラインを歩いている途中で、GPS 端末の電源が切れてしまいました。なので、今回の Log は尻切れトンボ。

鞍部へ登り上げる

鞍部へ登り上げる

スカイラインからは、大崩山と猫岳の間の鞍部へ谷筋を登り上げました。先行の方も同じルートでした。ここも倒木が埋もれきっておらず、ひと苦労。

猫岳山頂にて

猫岳山頂にて

猫岳の山頂に到着した頃には、飛騨側から雲が湧き上がり始め、残念ながら乗鞍岳や四ッ岳は見えません。

さて、シールを外してお楽しみの滑走です。

風に叩かれてパック気味ですが、気持ちいいパウダーです。直前の冬型気圧配置のおかげで新雪もそれなりに。でもオープンバーンなのは、山頂から鞍部までだけ。ああ…呆気ない。

猫岳山頂直下の快適斜面

猫岳山頂直下の快適斜面

鞍部からスカイラインへの下りは、登りと同じ谷筋ではなく、少し北寄りのルートとしました。

樹林帯を滑り降りた

樹林帯を滑り降りた

こちらの方が樹間が広く快適でした。ただし、20 cm ほどのパウダーの下はガリガリの氷化層で、底付きしたのが残念。

あとは、登路を戻るだけ。といっても途中のショートカット部分は藪だらけで非常に面倒臭く、夫婦松をショートカットした密林尾根は使わず、帰路は夫婦松経由としました。

夫婦松

夫婦松

ところが、先行の方は登路に忠実に下ったようです。下りなのにわざわざ板を外してあんな所を通るって…。

ゲートに帰還

ゲートに帰還

よく晴れ上がったので道路上の雪が溶けるのが心配でしたが、わずかに板をガリッと擦った程度で、ゲートまで全て滑走して戻れました。

といった感じで、今回は猫岳までコンプリートできたわけです。その上でやっぱり感じたのは、夫婦松より上の第三尾根は樹間が狭くてあまり旨みがなく、お楽しみが猫岳山頂の直下にのみに限定される…ということ。お隣りの四ッ岳北面に較べるとどうしても見劣りしてしまいます。

久手牧場のオープンバーンが十分な積雪となれば滑る楽しみもかなり増えますが、そういう時期になると他エリアでのルート選択の幅も広がるわけで。パウダーが高所に限定されるシーズン初期なら、このルートの利用価値はそれなりにあるかも知れないけど。

お楽しみの温泉は、いつもどおりにひらゆの森でした。


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