重力に戯れる愉しみ

主にバックカントリースキーの備忘録を書いています

RSS (2.0) Feed

水晶岳南峰 南東面ダイレクトルンゼ 2013年5月5日

前日午後から降り始めた雪は夜のうちにはすっかり止み、夜半には満点の星空に。明けて5日も早朝から快晴の空でした。

やっと寒気も緩んできたようで、それはそれで有難いことなんですが、なにぶん降雪直後であるだけに、いや~な予感。

なかなか快適ザラメに当たりませんなあ…今シーズンは。

GPS Log

地理院地図をポップアップ表示
(橙: 歩行、赤: シール歩行、青: スキー滑走)

記録

日付2013年5月5日(日)
天気快晴
ルート
  • 黒部川左岸の幕営地 2400m 7:01
  • 岩苔乗越 2735m 8:25/8:42
  • 水晶小屋 2900m 9:45
  • 水晶岳南峰 2986m 11:39/12:08
  • 東沢 登り返し 2335m 12:26/12:35
  • 水晶小屋 2900m 14:33
  • 岩苔乗越 2735m 14:56/15:03
  • 稜線上の小ピーク 2770m 15:16/15:39
  • 黒部川左岸の幕営地 2400m 15:58

雑記

朝起きて黒部五郎カールを眺めれば眺めるほど、「こんな快晴の時に滑りたかったなあ…」とグチグチ思っちゃいますね。ま、かわりに今日は水晶岳で楽しむのですよ。

幕営地付近から黒部五郎岳を望む

幕営地付近から黒部五郎岳を望む

この日はテントの重量から完全に開放されて身軽に動ける一日。テントは残置したまま、まだ鷲羽岳の影で日が差さず雪面が硬い黒部川源流の谷を、シールでハイクアップ開始。

黒部源流部をハイクアップ

黒部源流部をハイクアップ

結構降ったと思っていましたが、新雪は表面に薄皮一枚程度といったところ。

岩苔乗越から見た祖父岳

岩苔乗越から見た祖父岳

岩苔乗越に到着して、祖父岳北面や岩苔小谷の様子をみると…面ツルで、吹き溜まっていそうにも見えて、メチャクチャ滑走意欲がそそられます。

「水晶岳はやめて、こっちの方が良いかも知れねえぜ」と、心の中の悪魔さんが仕掛けた誘惑に危うく乗っかるところでしたが、なんとか振り切って予定どおり水晶岳を目指すことに。

岩苔乗越からはアイゼンに変更。

ワリモ分岐から見た水晶岳

ワリモ分岐から見た水晶岳

それにしても、水晶岳、まだ遠いなあ…。けっこう時間かかりそうだぞ、こりゃあ。

岩苔小谷の向こうに薬師岳

岩苔小谷の向こうに薬師岳

山中で数日過ごして全身脂ギッシュだし、岩苔乗越から高天原まで滑って、温泉に入りたいなあ…なんて思ってみたり。

薬師岳はやっぱりデカいなあ。きっとこの日はあちらで楽しんでいる方々も多かったはず。

水晶小屋

水晶小屋

少し早く先行したと思われるトレースが一本、水晶岳方面に延びています。ってことは同じことを考えている方がおられるのかな?

昼近くなり気温が上がってきて、雪がかなり緩んできました。水晶小屋を過ぎたところでいったんシール歩行に変更。

水晶岳南峰と南東面ルンゼ

水晶岳南峰と南東面ルンゼ

岩場のトラバースが始まるところで休憩。ここから水晶岳南峰を見ると、南東面ダイレクトルンゼ(勝手に命名)が面ツルで実に良さそう。ただ、問題は斜度がどの程度か…?正面から見ると圧縮効果で斜度が正確には判らないので、山頂でオブザベーションが必要でしょう。

ここからは再びアイゼンに。夏に通った時の様子からも想像したとおり、山頂までは、かなりイヤ~なトラバースが延々続きます。しかもこの日は融けた新雪が団子雪になってアイゼンに絡み、さらにイヤ~ンな感じ。ピッケルがもう一本欲しい~。

水晶岳南峰にて

水晶岳南峰にて

てなわけで、たいした距離ではないわりに、トラバースに苦労した結果、水晶小屋から約2時間もかかって水晶岳南峰に到着。ザラメだったらもっと短時間だったはずだけどね。

快晴無風の素晴らしい山頂でした。

さて、南峰と北峰との間から落ちる中央ルンゼを見てみると、

水晶岳中央ルンゼ

水晶岳中央ルンゼ

あ~、先行した単独の方はこっちを滑ったのね。さて、私はどうしよう。

中央ルンゼは風の影響を受けてちょっと波打っている様子。ならば南峰から落ちる南東面ダイレクトルンゼはどうかな?

南東面ルンゼを覗き込む

南東面ルンゼを覗き込む

ちょっとウネッているけれど、綺麗な面ツル。ではこっちにドロップしますかな。

ご使用の User Agent は埋め込み Flash 動画再生に対応していません。(Youtube ID: qwcxhzb1C0k)

やっぱり引っ掛かるような雪質でした。でもまあ、カリカリよりはマシだと思っておきましょう。

下部から水晶岳東面を見上げる

下部から水晶岳東面を見上げる

中央ルンゼと合流したあたりだけ快適ザラメ。下部はズブズブの湿雪で、思わず板を引っ掛けて転倒… orz

東沢を登り返し

東沢を登り返し

シールを貼って、東沢を登り返し。水晶小屋を真っ直ぐ目指すルートにしました。

南東面ルンゼに刻んだシュプール

南東面ルンゼに刻んだシュプール

ハイクアップ中に振り返ると、南東面ダイレクトルンゼに刻んだ自分のシュプールが見えました。自己満足の極み。

水晶小屋からの滑走中に見た岩苔乗越と祖父岳

水晶小屋からの滑走中に見た岩苔乗越と祖父岳

水晶小屋でシールを剥がし、岩苔乗越までスキー滑走で楽に下れました。ワリモ分岐下の斜面をうまくトラバースするのがポイントです。

祖父岳の北面を見ると、実に気持ち良さそうに滑った感じの、綺麗なシュプールが残っていました。あっちも滑りたかったなあ。

さて、岩苔乗越から幕営地に直接下っても良いのですが、祖父岳側の斜面の方が楽しそうなので、せっかくだからシールを貼って祖父岳方面へ延びる稜線上を歩いてみることにします。

黒部源流の谷を見下ろす

黒部源流の谷を見下ろす

「祖父岳まではちょっと遠いし、その手前からドロップするか…」と、シールを剥がして滑走準備していると、ちょうど祖父岳から下ってきた単独の方とすれ違いました。

お話をすると、この方は水晶岳中央ルンゼを先に滑った方で、その後に祖父岳北面を滑って、岩苔乗越の雪洞に戻るところでした。ちなみに、祖父岳北面はけっこう硬めだったとのこと。

なるほど、岩苔乗越をベースにするのも面白そう。

稜線上の小ピークからドロップしようとすると、あいにく厚い雲に遮られて、斜面が暗くなってしまいました。雲が消えるのをしばらく待ちましたが、いい加減にシビレを切らしてドロップ。

ご使用の User Agent は埋め込み Flash 動画再生に対応していません。(Youtube ID: bIstgSQovWU)

しばらく日影の時間が続いたので、稜線直下は硬くなりかけていました。中間部から下は快適ザラメで、ロングターンが楽しめました。

小ピークからのシュプール

小ピークからのシュプール

で、テントに戻ってきて振り返れば、すっかり青空に。なんてこったい、タイミング悪すぎ!晴れるまで待っていれば、少し雪が緩んだかも…。

テント場の日没

テント場の日没

雪の状態はちょっと残念でしたが、綺麗な夕日を眺めながらビッグな一日が終了。もう明日は下山か…早いなあ。


これまでのコメント

  1. szk より:

    こんにちは。
    最終日の林道の終点あたりでお会いした、夫婦でスプリットボードで来ていた鈴木と申します。
    こちらのブログ、以前から気になる山域で検索すると何度か引っかかってきたので、時々拝見させていただいていましたが、まさかご本人に同じ山域で遭遇するとは・・!(私が一方的に愛読していて、喜んでいるだけですが!)

    この日私達も水晶を滑り、ryoさんが水晶小屋に向かって登り返しているところと、三俣山荘に向かう途中源流にいらしたのも見かけ、最終日は三俣の肩のあたりで颯爽と我らを追い抜いて行かれました。
    雪質はちょっと残念でしたが、こんな絶景の中を滑れたのは、素晴らしい思い出になりました。
    温泉も、最高でしたよ!

    ちなみに、4月末は影火打から焼山を滑りましたが、ここもニアミスでした。
    滑りも登りもパワフルなryoさんには到底追いつけませんが、またいつか山でお会いすることができたら、お話色々聞かせてください。

    • ryo より:

      おお、穴毛谷出合あたりでお会いしたお二人ですね。あの時は、他の山岳会パーティの方々もおられて、賑やかに話が盛り上がりましたね。

      水晶岳南峰から滑った後、東沢を登り返している時、二人組が後から登って来るのが見えていましたが、その翌日にお会いすることになろうとは。

      いえいえ、私なんかは所詮ヘタの横好きでやってるだけです。それより、お二人の方こそ、見るからに百戦錬磨のツワモノっぽいオーラが出ていて、高天原から全装備を持って水晶岳に登り、滑走後東沢を登り返すなんて凄い体力だなあと感服していました。

      おっしゃるとおり、雪質はイマイチでしたが、山深いあのロケーションで滑ること自体に価値がありますよね。アプローチが長くて大変だけど、やっぱり良い山域です。また機会があれば、私も高天原を絡めてGWに再訪したいと思っています。

      焼山でもニアミスしていたんですね。やっぱり山滑走の世界って狭いんだなあ(いつものセリフの繰り返しですが)。

      またどこかでお会いできればいいですね。

コメントをどうぞ

承認後に表示されます。しばらくお待ちください。

▲ このページの先頭へ