重力に戯れる愉しみ

最近はフリークライミングばっかり。

RSS (2.0) Feed

富士山 不浄流し 2011年6月4日

富士山の滑走ルートとして、吉田大沢のようなメジャーどころ以外に興味を持ったのは、やっと去年のシーズン末のこと。そもそもは「~流し」と呼ばれる名前の沢をを滑ろうという、たかやさんの提案がきっかけでした。一年越で温めていたプランが今回ようやく叶い、不浄流しを滑ることができました。

本来、不浄流しは富士宮口からアプローチして、滑走後は御中道経由で富士宮口に戻るのが普通のようです。しかし、今回は3月の静岡県の地震の復旧工事の影響で、富士山スカイラインに夜間通行止めの規制がかかっていたので、須走口からアプローチしました。

GPS Log

地理院地図をポップアップ表示
(橙: 歩行、青: 滑走)

記録

日付2011年6月4日(土)
天気晴れ
ルート
  • 須走口五合目 1990m 4:40
  • アイゼン歩行開始 2800m 7:25
  • 大日岳の横 3730m 11:30/12:02
  • 不浄流しドロップポイント 3720m 12:24/12:45
  • 滑走終了 3060m 13:21
  • ブルドーザー道に合流 2730m 14:23
  • 須走口五合目 1990m 15:41

雑記

今回は、たかやさん、tutty さんと一緒。三人で賑やかになりました。

日の出

日の出

五合目の駐車場で準備していると、ちょうど太陽が登ってきました。眼下には雲海が広がっています。

事前情報やこれまでの降雨状況からして、急速に雪が融けているのは予想できましたが…

富士山を見上げて

富士山を見上げて

実際に現地に来て見てみると、やっぱ少ないねえ…。

今回、私の装備は久々のテレマーク。去年、今年とほぼアルペンオンリーだったし、ゲレンデで練習もせずいきなり本番でテレマーク復帰するのは、いささか無謀だったかも。

ブル道

ブル道

いつものように駐車場から直接ブルドーザー道を登ります。

アイゼンを装着

アイゼンを装着

標高2800m辺りからはしっかり雪が付いているので、アプローチシューズからブーツに履き替え、アイゼン歩行とします。

もうすぐ火口縁

もうすぐ火口縁

登れば登るほどに面ツルの良い斜面になってきて、ん~もうこれは去年の吉田大沢の再来か?と気分が高揚してきました。

須走口側の斜面

須走口側の斜面

大日岳の少し南側の火口縁まで登り上げました。毎度毎度のことながら、富士山は最後の登りがキツい。最後の方は体力のあるお二人に遅れをとるようになりましたが、気力で登頂。

大日岳の横で休憩していると、須走口からもの凄いハイペースで登った単独の方がちょうどドロップしたのが見えました。

剣ヶ峰とお釜

剣ヶ峰とお釜

お釜も綺麗でした。すでに今日滑った人達がいたようで、お釜の底には数人がいました。

不浄流しの一本北側のカール

不浄流しの一本北側のカール

で、不浄流しのドロップポイントへ移動することに。途中、不浄流しの一本北側のカールへのエントリー地点を通りがかると、単独の方がドロップするところでした。クラスト気味で苦戦している様子…。我々が滑ることにしている不浄流しは、大丈夫か?さっき登った斜面はあんなにも面ツルでソフトザラメだったのに…。

さらに少し進んで成就岳の手前の鞍部がドロップポイント。といってもホントにここが不浄流しなのか不安だったので、二人を残して私一人でもう少し先まで偵察。結果、間違いなくドロップポイントであるのを確認。

不浄流しのドロップポイント

不浄流しのドロップポイント

ザックから板を外して、滑走準備に入ります。

不浄流しを見下ろす

不浄流しを見下ろす

なんか、予想していたよりも滑走距離が短そうな気が…。

上部は悪雪に苦労

上部は悪雪に苦労

で、ドロップしてみると…、あちゃー、モナカだ!今回テレマークを選んだのは失敗でした。ボードのたかやさんは力強くモナカをやっつけていて、うらやましい。

テレマークターン

テレマークターン

中盤からはソフトザラメに。こうなると tutty さん、私のテレマーク組も楽しめるようになりました。

不浄流し

不浄流し

雪渓の末端まであっという間でした。

再び板を履いて少し滑る

再び板を履いて少し滑る

板を外して少し歩くと、すぐに一本北側の雪渓がありました。この雪渓、かなり下まで雪が残っていますが、下はガスって視界がないので、トラバース気味に少し滑るだけにして、またザレた斜面を歩くことにしました。

ザレた斜面を歩く

ザレた斜面を歩く

御中道経由で戻るつもりでしたが、結局どこに御中道があるのか判らずじまい。テキトーに斜面をガシガシ歩きました。

御中道とそれを横切る沢の名称については、富士砂防事務所のページが参考になりました。だだし、このページでは、どの沢が「不浄流し」であるか自体、確定していないような記述です。通常、富士山の滑走対象としての「不浄流し」は、今回我々が滑ったものを指すはずです。しかし、今回我々が滑ったものに一致するものは、ここには描かれていません。一番近い「成就ヶ沢」は北寄りだし、これは違う感じ。いまひとつ釈然としません。

幻の滝のはるか上流にあたる、水流があるナメ沢を横切ってしばらくすると、ブルドーザー道と合流。まだ駐車場まで700m程も歩いて下らなきゃ…と考えると、なかなかツラいものがあります。しかもブル道は登りよりも下りの方が急に感じました。今まで何度も歩いたけど、こんなに急だったかなあ…?

ともあれ、三人でワイワイ四方山話をしていると、そう退屈もせずに五合目に駐車場まで戻ってきました。お疲れ様です。

といった感じで、お目当ての不浄流しは標高差700mも滑れませんでした。富士山の東斜面は、雪が吹き溜まっている量が凄いので、遅い時期まで相当な標高差を滑れると思っていたのですが。結果としては登った斜面の方がさらに大きい標高差を滑れたわけで。ちょっと残念な感じでしたが、初めての斜面を滑るのはやっぱり良いもんです。また富士宮口から登った時にでも、不浄流しを滑ってみますかな。

下山後は御殿場まで下り、御胎内温泉でサッパリした後、たかやさんが目をつけていた、印野交差点すぐ近くのお店「魚啓」へ。

海産物がどどーんと凄いボリュームで盛られることで有名な店とのこと。

極上海鮮丼

極上海鮮丼

たかやさんと私は、「極上海鮮丼」を。刺身がテンコ盛り。

特うな重定食

特うな重定食

tutty さんは、巨大な「特うな重定食」。うへー、鰻さん何枚乗ってるのよ?

美味しゅうございました。また富士山に来たときは寄ってみるかな。


これまでのコメント

  1. maoyuki より:

    みなつりどの こんばんは
    maoyukiです
    なんだか消化不良気味だった不浄流しの滑降記録より
    海鮮丼とうな重の方に興味あります。
    詳細レポよろしく。(美味いものにも重力あるぜ!!)

    • ryo より:

      どうも、今週は慌ただしくしていたので、返信が遅くなっちゃいました。お久し振りです。

      毛勝山の記録、拝見しました。楽しめたようでなによりです。私も今シーズンは毛勝に行きたかったけど…ああ、身体が二つあれば。来年こそは…課題です。その後、猫又にも行っていたんですね。

      不浄流しはハードでした。行った日の2日ほど前に新雪があって、綺麗にリセットされていただけにワクワクしながらハイクアップしましたが、ちょっと斜面の向きが違っただけでモナカ…。6月でもこんなに冷え込むのは、富士山ならではですね。

      魚啓の詳細レポですか?うーん、tutty さんがテンコ盛りでヘヴィな鰻と格闘してましたね。なるほど、喰いモノにも重力があるってか。

      「極上海鮮丼」は何が乗っているか数えきれないくらい、贅沢な丼でしたよ。もうちょっとお安いノーマル版「海鮮丼」もあります。刺身だけじゃなくて、焼き魚とかもあります。富士山とセットで行きたい店になりました。交通の便が悪いけど、まずは機会があったら行ってみてください。オススメです。

コメントをどうぞ

承認後に表示されます。しばらくお待ちください。

▲ このページの先頭へ