富士山 御中道 2012年9月29日
Page 1 からの続きです。
不動岩からは左岸を800m弱下ることになります。リボンはたまにしか見付からないので、左岸の断崖に近づき過ぎず離れ過ぎず、という感じでルートミスしないよう気を配りながら行くことにしました。「ルート不明瞭で、ずっとヤブ漕ぎなんだろうな」と思っていましたが、予想よりずっと踏み跡(一部は獣道っぽい)は明瞭で、ヤブ漕ぎを強いられる場所は少しだけでした。
作業用モノレールの軌条が目に入ったので、その先を辿ってみました。軌条の上部終点には作業用足場が組まれてあり、ちょうど三ノ滝をすぐ下に見下ろす位置でした。
足場から見ると、薄い踏み跡が三ノ滝の上へ延びていることが判りました。どうやらこれはニノ越の名残のようです。「もしかしたらここで右岸に渡れるかも…」と考えて偵察してみたところ、右岸側がまともにヘツれるような状況じゃないことが判明。あんな所、滑落でもしようものなら軽く死ねますぜ。ということで、安全確実な三ノ越で渡ることにしました。
作業用足場から下は、踏み跡に沿ってモノレールが敷設されているので、ルートファインディングは不要です。
途中、偶然の出会いがありました。なんといつもブログで貴重な情報を提供して下さる富士山達人、むらちゃんさんとすれ違ったのです。今回は富士林道から大沢左岸を登り、反時計回りで御中道を廻るとのことで、我々とは富士山東面のどこかで再度すれ違うことになりそうです。「御中道のどこかでまた会いましょう」と言葉を交わし、それぞれの方向へ歩き出しました。
もう少し下るとモノレールの下部終点でした。「左岸道口」と彫られた石道標の前を過ぎると、階段で大沢の沢床に下ることになります。ここが三ノ越だそうです。
大沢崩れというと、いかにも険悪なイメージが湧き、実際上流部ではガレとザレの地獄のようなものですが、三ノ越では硬い沢床を歩いて楽に渡れます。
三ノ越付近には砂防工事関連の設備が置かれています。
堰堤のすぐ上が三ノ滝、その上が二ノ滝だそうです。それにしても、山頂部までずっと続く崩壊地の荒々しいこと。
右岸側のモノレール下部終点で長い休憩としました。この頃には高曇りだった空がスッキリ晴れ上がりました。
右岸の登山道はよく整備されていて、今までとは全く様相が変わります。「調査現場口」の道標からは尾根上の登りになります。尾根上にはエンジンのかかったモノレールが止まっていて、作業者の方もいました。土曜日は土木作業が行われるようです。
上の写真の真ん中に青い部分があります。実はこの壁に大沢崩れや御中道に関する詳細資料が掲示されているのですが、それが全てブルーシートで覆い隠されています。大沢休泊所に来たら是非見ようと楽しみにしていた資料だけに、非常に残念でした。どうも御中道の今後に不穏なものを感じてしまうのですが…考え過ぎでしょうか。
そんなわけで、現在見られる情報はこれだけ。
大沢休泊所からは歩きやすい遊歩道で、すれ違うハイカーがいきなり増えるようになります。枯れ草でフカフカして足に優しく快適。木漏れ日を浴びながら散策気分です。
何本かの沢を渡って進んで行きます。この仏石流しもそのうち残雪期に滑ってみたいな。
もうだいぶん歩いて来たつもりですが、大沢崩れの横断に時間を要したせいでまだまだ全行程の1/4を少し超えた程度なんですよね。だからまだ西側の南アルプスがよく見えるのです。
滑沢も滑走すると楽しそう。
御庭小屋からは東側は、より遊歩道らしく石畳が敷かれています。ただし、石畳の上はむしろ足に負荷がかかり、むしろ横の砂礫の上の方が楽に歩けるので、あまり意味のある施工とは思えませんが。
今年は滑れませんでしたが、北面は実に魅力的な滑走ラインが引けそうで注目しています。いずれは青草流しや白草流しを滑る機会があれば良いなあ。
剣丸尾火口の右上あたりが大流しでしょうか。以前に白山岳の山頂から見下ろして「良さげだなあ」と思った斜面は、たぶん大流しだったはず。
吉田口五合目に近づくにつれて、「ちょっとお散歩に」って感じの観光客が御中道上にも増えてきました。
観光客でごった返す吉田口五合目に到着。静かだった大沢崩れ周辺とは別世界ですね。俗っぽさを感じる半面、ここは長い長い御中道の中間にあって食料や水分を補給できる、オアシスのような有り難い場所。冷たいコーラを飲み、喉を潤しました。
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