重力に戯れる愉しみ

最近はフリークライミングばっかり。

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富士山 富士宮口 2012年5月19日

剣ヶ峰から直接ドロップして、富士山南面の滑走を豪快かつ快適に楽しむタイミングって、なかなか狙うのが難しいと思います。時期が早いと雪が硬く、当然ながら南面なので時期が遅いと雪が消えるのが早い。

今年は南面の残雪量が例年より多いようで、5月12日の時点の情報では富士宮口駐車場からすぐに雪が切れ目なしに続いていたそうです。それならちょうど良いタイミングかなと思い、南面滑走を目論むことに。

登路をそのまま滑れば、駐車場までほぼ全て滑走できるコンディションでしたが、今回我々は表大沢をできるだけ下まで真っ直ぐ滑ることを優先したので、登路ルートに戻る際に雪が消えたリッジを歩いて横切ることになりました。

結果として、表大沢は素晴らしい一枚バーンでした。今回は表大沢へのエントリーがよく判らず、途中から入り込んだ形になったけれど、ぜひ次回は最上部から滑ってみたい!

GPS Log

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(橙: 歩行、青: 滑走)

記録

日付2012年5月19日(土)
天気快晴
ルート
  • 富士宮口五合目 2390m 6:22
  • 富士山 剣ヶ峰 3776m 12:27/12:50
  • お釜の底 3535m 12:58/13:21
  • 主杖流しエントリーポイント 3700m 14:01/14:27
  • 表大沢滑走終了 2880m 14:57
  • 富士宮口五合目 2390m 15:44

雑記

わずかに切れている所もありますが、前情報どおり五合目からバッチリ雪がありますね。山頂から五合目までダイレクトに落ちているこの沢は、日沢と呼ばれるようです。

五合目からすぐに雪が現れる

五合目からすぐに雪が現れる

最初はブーツのまま歩いていましたが、しばらくしてアイゼンを装着。

駿河湾を見下ろす

駿河湾を見下ろす

雲ひとつない快晴の空、海まで見通せました。そのうちにメチャクチャ暑くなってきました。所々で真っ白く見えるのは、昨日降った新雪のようです。また新雪かよ…もうストップスノーで苦労したくないんだけどなあ。

九合五勺から山頂を見上げる

九合五勺から山頂を見上げる

今回は夏道どおりに登るのではなく、少し西側の斜面をずっと登りました。九合五勺で夏道と合流。

しかしまあ、今日は長蛇の列ですねえ。まず間違いなく入山者は100人を超えていたはず。

山頂の小屋はほぼ雪に埋没

山頂の小屋はほぼ雪に埋没

鳥居をくぐって山頂に到着。小屋が雪に埋もれてほとんど見えないなんて初めての経験かも。いかに積雪が多いかが判ります。

そのまま剣ヶ峰を目指します。

剣ヶ峰

剣ヶ峰

もうすでに数人が剣ヶ峰からお釜に滑り込んだようです。所々に青氷が見えているけど、大丈夫かね…。かなり硬くて、厳しめのコンディションっぽいなあ…。

剣ヶ峰には大人数が所狭しと押し寄せていました。中には有名な富士山フリークの方の姿も。

では、剣ヶ峰からお釜へ、今日の1本目。

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ひえ~滑り出しから固くてキツいコンディションでした。しかもお釜の中ではバカやっちゃいました。よりによって日当たりの悪い北向きカリカリ斜面に入り込んでしまい、余計に苦労するハメに…。

そこのところをガイドさんはよく心得ているようで、ちゃんとクライアントを南向きの柔らかめ斜面に導いていました。さすがはプロだと感心。

お釜の底から登り返し

お釜の底から登り返し

たちまち大勢がお釜に滑り込んで来て、まるでゲレンデのようにギタギタになってしまいました。こんなにも大勢がお釜に滑り込むなんて初めて見ることかも。ちょっと信じられない光景。

お釜から登り返して再びお鉢の上へ。 さて、今日のハイライトは南面滑走です。夏道沿いのありふれたルートを滑るのではつまらない…ということで、今回我々は剣ヶ峰寄りの斜面を偵察を兼ねて滑ることにしました。

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馬の背の基部からまずは主杖流しへドロップ。上部はちょっと硬い部分もありましたが、すぐに緩んでザラメを楽しめるようになりました。さすがは南面。

良い感じのザラメ

良い感じのザラメ

主杖流しをそのまま滑ると、とんでもない所に落ちてしまい、駐車場まで戻るのが苦行になってしまいます。それを考慮して、徐々にトラバースして東側の斜面に移りながら滑ることにします。もちろん、斜面の偵察も怠らず。

表大沢をカッ飛ばす

表大沢をカッ飛ばす

そのうち広い斜面にやって来ました。見上げると一枚バーンが広がっています。「こりゃあすげえ!」と、我々も思わず声に出して感心しまうくらい。「この斜面を最初から滑りたかったなあ…」と後から思えば思うほどつくづく残念。

爽快ロングターン

爽快ロングターン

富士山砂防事務所によると、この広い沢は表大沢ということになるようです。

雪がなくなるギリギリまで表大沢の滑走を堪能。中間部から下は板がよく走るザラメでした。ときどきシュカブラっぽいデコボコに足を取られたりもしましたが。

表大沢を見上げる

表大沢を見上げる

滑走終了地点から見上げると、改めてこの表大沢の広さがよく判りますね。う~む、開放感があって素晴らしい。

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登りルートである日沢に戻るには、雪が切れたリッジを途中で横切る必要があるので、板を外して歩きました。

五合目に帰還

五合目に帰還

最後はまた板を履き、五合目駐車場に滑り込んで終了。

今回は久し振りにSugar Daddyを使用。この板、パウダー用のつもりで導入したのに、パウダーでは突き刺さって全然楽しくなかったり、品のない乗り味が好きになれなかったりで、長らく戦線離脱していました。

でも、富士山のような大斜面でロングターンする場合には、張りの強さと183cmの長さがアドバンテージとなり安定してカッ飛ばせるので悪くない感じ。幅広なのでシャバ雪にも強いし。ということで、今後Sugar Daddyには富士山スペシャル板として働いてもらおうかな。もはや石をガリガリ踏んでも惜しい板じゃないしねw

今日は富士宮口で今までにないくらいの長い滑走距離を楽しめたし、南面の様子も偵察できたし…と、いろいろ収穫がありました。


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